スキルを高めて利用者に寄り添う

ホームヘルパーとして訪問先の利用者に寄り添うためには、何よりもコミュニケーションスキルを高く維持しておくことが大事である。まず、共通の話題があれば親近感もわき、会話も弾むので、利用者との共通点を探すことが重要だ。訪問先の介護現場で共通点を探すときには、利用者が身に着けているものや部屋に置いてあるものを何気なく観察して探すようにする。特に寝室には利用者が大切にしているものが置いてあることが多いので、それらをきっかけに話を進めてみて、仮に会話が継続しなければ話題を変えて共通点を探していくのがコツだ。

また、利用者のYESを引き出していくのも大事である。YESで答えられる話というのは、気持ちが前向きになり、自然とほかの会話にもつながる。まずは、利用者が好きなものなど確実にYESと答えられる話をすればよく、もしいい質問が浮かばない時には、利用者の言ったことを繰り返すことで相手はYESと答えることができるものだ。そして、もう一つ大事なのが、言葉だけに頼らないということである。認知症の人など感情を言葉だけで表現できない利用者もいる。一瞬の感情やちょっとした仕草なども観察して、言葉以外の情報からも利用者の感情を読み取りコミュニケーションできるようにすることが大切だ。

これらの3つのポイントをワークショップなどで実際に試していくことでスキルを磨くことができる。コミュニケーション能力は介護において重要であり、こうしたことがヘルパーからサービス提供責任者やケアマネジャーなどへのキャリアアップにもつながるものだ。